雪道に強い車の条件とは?

雪道に強い車と言えば、『４WD』という方は多いと思います。４WDは四輪全てを駆動させるため、エンジンパワーをタイヤに均等に同時に伝えることができるので、雪道に強いと言えます。

４WDであること以外にも、最低地上高や車重などが雪道での走破性に大きな影響を与えます。４WDであったとしても、最低地上高が普通車と同じような高さの車の場合、雪面の状態によっては、積雪が３０cm程度でもスタックしてしまうということがあるのです。

雪国では主要な道路は除雪車が除雪してくれるのですが、狭い路地や降雪が激しい時は、除雪が追いつかない道を走らなくてはならず、４WD車でもスタックしてしまうこともあるのです。

車重が重い４WD車の場合、走破性は高くても、ブレーキ時に滑り出した時に挙動をコントロールできなくなる事態に陥ることもあるのです。それ以外にも、車の機能条件ではないですが、雪道を運転する条件としてあげるなら、装備が大切だと言えます。

中でも一番大切なのは、スタッドレスタイヤです。スタッドレスタイヤは、しっかり雪を書き込んで車のグリップを確保してくれますので、必須の装備だと言えます。

次に大切なのは、冬用ワイパーと凍結しないウォッシャー液です。これがあると、フロントガラスに凍りついた雪もしっかりと拭いてくれるので、激しい降雪時にもちゃんと視界を確保できるのです。

ということで、雪道に強い車の条件とは、４WDであることはもちろんなのですが、雪道をしっかりグリップするために、スリップしにくい機能が備わっていたり適度な車重バランスであったりすること、そして、雪道を走破するための装備を持った車であることが大切だと言えます。

1 ４WDは万能ではない！？
2 雪道に強い自動車（メーカー）は？
3 雪道に強い車まとめ

４WDは万能ではない！？

さて、スタッドレスタイヤを履いたＳＵＶの４WDであれば、雪道のグリップもしっかり取れて、最低地上高も高いので、５０cmほどの積雪路でも安心できる走破性はあります。

でも、雪道で一番注意しないといけないのは、ブレーキングなのです。凍った路面やシャーベット状の雪の上では、想定外に滑ります。

特にある程度スピードを出していて、急にブレーキを踏むと４WDも関係なく滑ります。走破性能を高めるために前後輪を直結している４WD車は、強くブレーキを踏むことにより、機構上全てのタイヤがロックするので、一旦滑りだすとても危険な車に変わってしまうのです。

「ブレーキングに４WDは役立たない」と考えて、雪道では停止する位置よりもずいぶん前から少しづつゆっくりとブレーキをかけるように心がけましょう。また、発進する時も４WDを過信せず、ゆっくりとアクセルを踏むよう心がけましょう。

雪道に強い自動車（メーカー）は？

昔から雪道に強い自動車メーカーは、日本車メーカーではスバル、輸入車メーカーではアウディ（クワトロ）だと言われています。

では、スバルとアウディ（クワトロ）は、なぜ雪道に強いメーカーだと言われているのでしょうか？

スバルもアウディもラリーなどのレースに参加したりすることで研究を重ね、悪路や雪道の走破性の高い車を開発、改良してきました。

でも、そんな両社の車に用いられている技術は、実は異なります。

まず、スバルですが、スバルの４WDは「シンメトリカルＡＷＤ」という技術を使っており、これを各車に装備しています。AWDとは４WDのことなのですが、スバルのフルタイム４WDは、前後輪のトルク配分を６０：４０に保っており、タイヤのグリップが失われた時にはすぐに検知して５０：５０にトルク配分を替えて駆動力を上げる機能が備わっているのです。

また、スバルの車はエンジンを左右対称になるようにマウントすることで、しっかりと車のバランスを均等に保てるようにしているので、雪道でも安定して走破できるのです。

さらに、低重心の水平対向エンジンを使っていることも、路面をしっかり掴んで走れる要因の一つになっているのです。一方、アウディ（クワトロ）は、エンジンパワーを４つのタイヤに分散しており、タイヤがどれか一つでもスリップした時にコンピュータがすぐに検知して、グリップを最適化し、車のトルクが常に最適化される機能を持っているのです。

アウディ（クワトロ）は、そのような機能を持っているため、「車が路面に吸い付いているようだ」とも言われるくらい安定しているのです。アウディ（クワトロ）は、雪道や悪路を安定して走るためと言うより、ハイパワーな車の力をロス無く路面に伝えるために４WDを採用したのです。

そして、スバルもアウディもレースに出場してその技術を磨いてきたのです。