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最近、自分の周りでちらほら学級閉鎖がでるようになりました。学級閉鎖になると、たとえ元気であっても子供は学校に通えなくなりますし、さらには学童にも通えなくなるため、保護者は基本子供を家庭で見ることになります。仕事をしているお母さん達には、学級閉鎖になってしまうと、子供が病気になっていなくても大打撃になるのです。


そういった点で、仕事をしている保護者のために子供を預かる施設である保育園では、学級閉鎖という処置が取られる事はあるのでしょうか?・・・そういえば、あまり耳にしたことがありません。


保育所に子供を預けていたお友達の話を聞いても、何人休んでも学級閉鎖になることはない、学級閉鎖は経験したことがないと言います。そのため小学校にあがると学級閉鎖になることもあるから働く親にとっての「安全神話」が崩れる・・・とも聞いたことがあります。


実際、保育園で学級閉鎖を取ることはないのでしょうか?


保育園における学級閉鎖はないわけではない

保育園に入っているから学級閉鎖になることはないよ!と、言う声は多いのですが、保育園だからといって学級閉鎖がない!というわけではありません。保育園でも学級閉鎖を行うことはあります。

ちなみに、毎年流行するインフルエンザですが、その流行を予防するため、厚生労働省は「今冬のインフルエンザ総合対策」というHPを作成していて、そこでは学校休校情報を掲載しています。


平成28年度における、インフルエンザにおいての学級閉鎖実施数を見てみると、平成28年9月~平成29年1月末までにおいて(第21報より)、35の保育所で学級閉鎖または休校などの処置が実施されています。


ちなみに、幼稚園は583園、小学校は4187校で学級閉鎖または休校などの処置が取られているのです。実施数を見てみると、保育園での学級閉鎖はきわめて少ないとわかりますよね。


ですが、「全くない」わけではないのです。


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保育園が学級閉鎖になる基準

ちなみに保育園運営における感染症による学級閉鎖の明確な基準はありません。


平成21年に厚生労働省より新型インフルエンザに対する措置として、「学校・保育施設等の臨時休業の要請等に関する基本的考え方について」という通達が、各都道府県、保健所の衛生局へ出されました。


その文章内で

臨時休業の考え方は、都道府県、学校、保育施設の設置者において検討されることが望ましい

と記されています。


つまりは、都道府県や各学校、保育園、状況においてそれぞれの判断にゆだねますと言うことです。ちなみに、社会的影響・経済的影響とのバランスを考慮した判断は必要とも明記されています。


保育園は、幼稚園や学校施設のように、子供に勉強を習わせるためにいく場所ではなく、働く親が一時的に子供を預かってもらう場所です。学級閉鎖になれば元気な子供も休まなければなりません。元気な子供に対して「なぜ預かってくれないの?」「仕事ができない」という保護者の声は多いことは確かでしょう。


親が仕事をしている間、保育してもらう施設であって、その間に親が仕事をして社会も経済も流動していると考えるのであれば、保育園にとってバランスを考慮するというのは「学級閉鎖をしない」という判断にならざるを得ないのかも知れません。


感染症が流行した場合の保育園の対応

かといって、保育園は長い時間、同じ生活スペースで保育されている子供たちにとって、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症は広がりやすい環境であることにはかわりありません。


感染症を広めないために保育園では、『学校保健安全法施行規則の出席停止の期間の基準に準じて登園してもらう。』と、いうことを保護者に促しています。


各疾患に対して解熱後何日で登園できますよと知らせる、いわゆる「登園のめやす」を決めています。さらに園によりますが、医師の登園許可がないと登園できないというスタイルをとっている園もあります。


そのようにして保育園内でも感染が広がらないよう、病気が疑われる子供に対して登園をさせないという指導を徹底して、なるべく学級閉鎖にならないよう努力してくれているのです。


最後に

基本的には保育園では学級閉鎖に対して積極的ではないのが現状です。


ですがこのようなことも明記されています。

『保育所は学校とは違って、感染症の流行に伴って臨時休業を行う法的根拠は元々なく、季節性インフルエンザが集団発生した場合でも保育所を休園することはありませんでした。一方、この新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行されることによって、地域の自治体の判断によっては法的根拠をもった保育所の臨時休業が行われることになるかもしれません。』

(以下 厚生労働省2012 年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン「コラム 新型インフルエンザについて」から抜粋)

そのようなことから現在では保育園でも状況で判断して学級閉鎖を行うような動きもなされているようですね。


保育園の現場では、明らかに病気をもっているのに無理して登園させている保護者もいるそうです。そうやって無理をさせることで、保育園自体は学級閉鎖にならなくても、病気がうつってしまって休まざるをえない保育児童はとても多いようです。


学級閉鎖はそういった無理をさせている親に対しては効果的な処置だと思います。ですから保育園に元気に通わせたいと思う保護者にとっては返って学級閉鎖してくれたほうがいいという意見もあります。


いくら仕事があっても、子供の具合が悪いときは仕事優先ではなく子供についてあげてほしいと思いますね。結局は保護者のマナーやモラルが一番大事だということです。

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