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うなぎほど、日本人に愛される魚もそうそういません。
夏バテ気味の体力の回復に、お祝い事や土用の丑の日に、なくてはならない貴重な存在です。「たまに奮発して食べるなら絶対にうなぎ!」という人も少なくないことでしょう。
そんなうなぎも、最近は生息数が減少して、天然物はめったに食べられない高級魚になってしまいました。
今回は、私たちの味覚をとらえて離さない魚、うなぎに秘められたパワーと食べごろの見分け方をご案内します。
目次
うなぎが一番美味しい、旬の時期っていつ?
うなぎといえば、日本では一年で最も暑さの増す頃、土用の丑の日に食べるものというイメージがありますよね。
「夏バテ予防にうなぎ」とも言いますし、実際に夏場になると、デパートやスーパーに食欲をそそる美味しそうな蒲焼きが出回ります。
それならば、旬も大体そのくらいの時期かと思いきや、実は本来うなぎの美味しい時期は夏ではなく、秋~冬にかけての冷涼な季節というから驚きです。
なぜならば、うなぎは冬眠する魚ですから、気温が低くなり水温が下がってくると、冬に備えてせっせと餌を食べ、体力を蓄えておく必要があるからです。
うなぎの餌となるのは、川や水辺に生息する小魚・エビ・貝類・藻類・両生類などです。
来るべき冬の寒さをしのぐために、こうした餌をたらふく食べたうなぎは、温暖な季節に比べて脂がのって旨みが増し、ふっくら柔らかな食感になります。
専門店に天然うなぎを食べに行くなら、夏が過ぎて涼しくなってから、8月~12月を目安に訪れてみるといいでしょう。
一度は食べたい!天然の「下りうなぎ」
さらに、秋は産卵を控えた親うなぎが川から海に戻る時期と重なります。俗に言う「落ちうなぎ」「下りうなぎ」と呼ばれるものですね。
うなぎは海で生まれた後、まだ稚魚のうちに餌を求めて川へと上る不思議な習性で知られています。
せっかく餌の豊富な海で生まれたのに、あえて厳しい道を行く理由は、川の方が海よりもライバルが少ないためではないかと考えられています。
「下りうなぎ」が美味しいといわれるのは、海に出る前に餌場の川でたっぷりと栄養を取っているからです。
そして、産卵前のこの時期こそ、うなぎの一生で一番脂の乗った、食べるには最高の状態なのです。
ただし、これらはあくまでも天然うなぎの話です。
養殖では徹底した温度管理を行い、成長のスピードをコントロールしているので、何かと出番の多い夏場も滋養満点の美味しいうなぎを食べることができますよ。
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うなぎを食べるとスタミナが本当につくの?
夏バテを引き起こす原因は、暑さからくる食欲不振に加え、ビタミンやミネラルなどの栄養分が汗と共に体外へ流れ出てしまうことにあります。
うなぎは夏場に失われやすいこれらの成分をバランスよく含む、卵に匹敵する優秀な栄養食なのです。
新陳代謝を助けるビタミンB1は、うなぎ100g当たり0.75mg。同量の豚肉に含まれるビタミンB1が0.85mgですから、これは十分な量といえるでしょう。
皮膚や粘膜の健康維持に必要なビタミンAにいたっては、100g当たり5000IUも含まれていて、これは牛肉の約200倍にものぼります。成人男女が1日に摂取するべき量は1800IU~2000IUですから、蒲焼きを1枚食べるだけで軽く必要量を満たすことになります。
それだけでなく、脂肪を分解するビタミンB2、骨を作るビタミンD、抗酸化作用のあるビタミンEの他、カルシウム・亜鉛・鉄などの各種ミネラル、美肌効果で知られるコラーゲン、良質のタンパク質を効率よく補うことができるのに、カロリーはうな重でたったの約647kcalです。
うなぎの基礎知識まとめ
昔から、うなぎは夏バテに良いといわれてきました。土用の丑の日に欠かせないのも、連日の猛暑で体力の衰えがちな夏を乗り切るために「精のつくもの」を食べようというところからきているようです。
冷たいものの摂り過ぎで内臓に疲れの出る夏は、胃にやさしく、消化に良いうなぎを食べて体を労わり、食欲と元気を取り戻しましょう!
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