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みなさんは『顔が赤い』『大臣』というと誰を思い浮かべますか?


元首相!という方、ごめんなさい。


今回はも~っと昔から有名な『右大臣』を主役としてお話ししていこうと思います。


ひな人形にはいろいろな言い伝えがありますが、右大臣にも意外なエピソードがありました。これを読んだら右大臣雑学を子どもたちに教えられちゃうかもしれませんよ。


右大臣ってどんな役職?

右大臣といえば、みなさんご存知のひな祭りに欠かせない名脇役ですね!


脇役?だって、親王飾り(お殿様とお姫様のお二人の飾り)にも五人飾り(三人官女が加わった飾り)にも十人飾り(更に五人ばやしを加えた飾り)にも登場せず、十五人飾りでやっと左大臣と共に登場するわけですから…


段飾りでいうと五段飾りからの出番です。※五段飾りでもお道具が沢山飾られるものには左大臣と右大臣はいないことがあります。


政治の役職でいうと、太政大臣(今でいう総理大臣といったところでしょうか)の次に偉い位の方だったようです。序列上は左大臣の方が上のようですが、同じ内容の仕事をしていたと言われています。


ひな人形においては、左大臣と右大臣は“随臣(ずいじん)”とも呼ばれ、お殿様とお姫様を守る重要な役割を担っていたとも言われています。それにしても、お守りすべきお二人から随分と離れた場所にいて少々心配になりますね。


右大臣はお酒に弱い?

右大臣が年間で一番登場するシーンは、やはり<うれしいひなまつり>の歌の中かと思います。


「あかりをつけましょ ぼんぼりに~♪」(とび3番に登場)「すこし しろざけめされたか~♪」


はい、ここですね!「赤~いお顔の右大臣♪」


白酒を召されていたか?ということですが「随分お酒に弱いのね~甘酒で酔っちゃって。」と思っている方!実は白酒=甘酒ではないのです。私もずっと甘酒のことだと思っていたのですが白酒は別物なのです。


白酒は、蒸した白米と米麹を混ぜ合せたものに焼酎あるいは酒を加えて熟成させ石臼でひいて造られたもの。歴史は古く戦国時代以前からあったようです。酒税法ではリキュール類に分類されるお酒です。


一方、甘酒は主に米こうじと米、あるいは酒粕が原料の飲み物でアルコール含有はわずか、度数1%未満です。リキュール類には入らず、市販されている甘酒はソフトドリンクに分類されています。


白酒はなんとアルコール度数、約9%!アルコール度数 9%というと、焼酎ハイボール(いわゆるチューハイ)が相当します。もちろん商品によってアルコール含量が違いますが、ビールは約5%前後といわれているのでそれよりアルコール度の高いお酒というわけですね。


今まで「今年も白酒おいしくいただきました。」と言ってひな祭りに甘酒を召しあがっていた方、今年は本物の白酒に挑戦してみてはいかがですか?


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衝撃!右大臣は右大臣じゃなかった?

みなさんは、左大臣と右大臣をどのように見分けていますか?


「赤いお顔が右大臣で、赤くないのが左大臣でしょ?」という方にビックリなお知らせです。


赤いお顔=右大臣は間違えのようなのです!赤いお顔をしているお年を召した方こそ左大臣。そう、赤いお顔=左大臣なのです。


座っている位置も私達正面からみる者にとっての左右でなく、お殿様・お姫様からみての左右となるとのことなので「正面から左に座っているのが左大臣で、右に座っているのが右大臣でしょ?」と見分けていたかたも間違えというわけです。


ちょっと紛らわしくなってしまいましたね。簡単に言うと、お殿様・お姫様からみて左側にいる赤い顔をした老人が左大臣。反対側が右大臣。「え~。ずっと左大臣を右大臣だと思ってた!!」という方も少なくないはずです。だって“赤いお顔の…右大臣♪”と歌ってきたのですから。


このビックリがうまれた秘密は<うれしいひなまつり>を作詞したサトウハチローさんにあるようで、自分から見た左右で左大臣と右大臣を判断したと思われます。


私の想像だと、「おっ、赤い顔しているね~よしよし、右側の…右大臣だな。」という感じで歌詞を書かれたのではないでしょうか。サトウハチローさんは、左大臣と右大臣を間違えて表現してしまったこの曲をあまり気に入っていなかったとのことです。


しかし、世の中に長年歌われてきた歌詞ですから、今さら“赤いお顔の左大臣♪”にしましょうと言われても私は馴染めない気がします。


おまけ

最後に、左大臣・右大臣の画像を探しているとこのようなイラストを見つけました。今さら歌詞は変えられないという柔軟性のない私も納得の画像です。


赤いお顔の…右大臣。ほんのり頬が赤くなっていますね。歌の通り右大臣の顔が赤くなっていて、これをみたら子どもたちも“この人が右大臣だ”と思うことでしょう。


お次は左大臣。これまた赤いお顔?うまく髭で隠れていますが“赤いお顔は左大臣”と知っているかたにも納得の左大臣イラストではないでしょうか。


どちらも赤くしちゃうなんて、実に平和的解決だなと思ってしまいました。ひな人形はなかなかそういうわけにはいきませんが…。


サトウハチローさん(1973年没)がこのイラスト画像をみたら、お喜びになられたかもしれませんね。

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