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年に一度の女の子のお祝い、「ひな祭り」。小さい頃、お雛様を飾ってもらうのをとても楽しみにしていました。


そしてもう一つのお楽しみが、ひな祭りならではの「ご馳走」だったのを覚えています。お雛様の前に「甘酒」や「ひなあられ」、「ちらし寿司」などが並び、家族みんなでお祝いしました。今では「ひな祭り」=「ちらし寿司」は定番ですよね。


さて、このおひな祭りに欠かせないご馳走。いったいどんな意味が込められているのでしょう。




定番!ちらし寿司!

「ひな祭り」と言ったら「ちらし寿司」と言うぐらい定番中の定番ですよね。ちらし寿司のいったい何が、ひな祭りへとつながったのでしょうか。


ちらし寿司の“ちらし”は“散らし”のことで、見た目通り、酢飯の上にたくさんの具が散らされているところからそう呼ばれるようになったそうです。


そして、ちらし寿司には二種類あるのをご存知でしたか?江戸前寿司では、酢飯の上に生魚のすしネタを並べたものを「ちらし寿司」というそうです。“江戸前ちらし”、“生ちらし”などと呼ばれていますね。具をさいころ上にカットしたものをのせた“ばらちらし”も江戸前寿司のちらしになります。


そして、もうひとつは“五目ちらし”と呼ばれる、刻んだ具を酢飯に混ぜ合わせたものです。具には、甘めに煮た「かんぴょう」、「干し椎茸」、それから「タケノコ」、「ニンジン」などを細く刻んだものがありますね。各地方やご家庭によっても中に入るものは違ってくるのではないでしょうか?その上に、「錦糸卵」や「刻み海苔」、「レンコン」や「海老」などを散らしてのせます。ひな祭りに出てくるのは、こちらの“五目ちらし”が一般的ですね。


では、五目ちらしはなぜひな祭りに食べられるようになったのでしょう。それはそれぞれの具に意味があるからなんです!


海老

海老は腰がクルっと丸まっていますよね。それにあやかり、腰が曲がるぐらい長生きできますように。歳をとっても、健康でいられますように。という願いが込められています。


レンコン

たくさん穴があいていることから、先を見通せる、縁起のいいものとされています。


緑色が入ると鮮やかさが増しますよね。こちらは「まめ」にかけて、「マメに働けますように」という意味があります。


これらに錦糸卵や紅ショウガなどを散らすと、より一層華やかに、お祝いにふさわしいご馳走になりますね。


甘くておいしい、ひなあられ

ひな祭りの時に子供たちが食べるお菓子ですね。よく見るといろいろな色があり、とてもカラフルなんですよ。実はこの色にはこんな意味があるんです。


冬(雪の色)


ピンク

春(花の色)


夏(新緑の色、木々の芽の色)


秋(紅葉の色)


四季を表現していたんですね。一年間、元気に過ごせますように。という思いが込められています。
ちなみに、関東と関西では“あられ”ちょっと違います。関東ではポン菓子を用いているので、主に米粒の形で甘いのですが、関西では餅を砕いたものからできており、1センチくらいの大きさです。味も甘いものより、醤油味などが一般的です。

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今ではちょっと珍しい?ひし餅

ピンク、緑、白の三段重ねのひし形のお餅です。それぞれの色に意味があります。

ピンク

桃や桜の花の色(春)


大地の芽吹き、草の色


真っ白な雪(冬)


重ね順にもよりますが、白い雪の下から、緑色の芽が吹き、やがて花が咲くといった春の様子を表現しているんです。今ではあまり子供たちに人気がなくなってきているようで、ご家庭で食べることが少なくなってきていますね。かわりにケーキやゼリーを三色、三段に重ね、ひし形にしてひし餅に見立てている方も多くなりました。先ほど紹介したちらし寿司をひし形にする方もいらっしゃいますね。


白酒、甘酒

白酒も甘酒も同じものを指していると思っていませんか?実はこの二つ、別物なんです。


もともと室町時代には「桃花酒(とうかしゅ)」という、お酒に桃の花を浮かべたものを飲んでいました。これは桃が100歳を表す「百歳(ももとせ)」に通じるからなんです。江戸時代ころから、これに代わり「白酒」を飲むようになったといわれています。


「白酒」は、みりんや焼酎などに蒸してつぶしたもち米を入れて作ったものです。一ヶ月程度すると、アルコール分が9~10%ぐらいの濁りのあるお酒になります。酒税法上ではリキュールとされますので、ご家庭で勝手に作ってはいけません。


それに対して「甘酒」はやわらかめのご飯に米麹を混ぜて一晩おいたものです。でんぷんが糖化して甘くなり、アルコール分はほとんどないため、酒税法上お酒にはなりません。なので、ご家庭で作っても大丈夫なんですよ。飲むときに温めると、わずかに含まれるアルコール分も飛んでしまいますので、お子様でも安心して飲むことができますね。


現在も「甘酒」はよく販売されていますが、味が苦手という方もいませんか?私もちょっと苦手で、代わりに白っぽいジュースや桃味の飲み物などを飾っていますよ。


まとめ

ちらし寿司、ひなあられなど、ひな祭りのごちそうにはそれぞれの意味や思いが込められていたのがわかりましたね。私の育った東北地方では、お雛様に「尾頭付きの魚」や「鯛の生菓子」なども供えていました。各地方により、様々な風習があるのではないでしょうか?


古くからある、伝統や風習を大切に、美味しいごちそうを囲みながら、お子さんの成長をみんなでお祝いする、楽しいお雛祭りになるといいですね。

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