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「あかりをつけましょぼんぼりに~。お花をあげましょ桃の花~。」というメロディーを、街角でよく聞く季節になりましたね。そろそろご自宅にもお雛様を飾っている方も多いのではないでしょうか。


私も先日、お雛様を飾ったのですが、ちょっと気になることがありました。「ひな祭り」と言えば飾る花は「うれしいひなまつり」の歌の歌詞にも出てくる「桃」を連想するのが一般的だと思うのですが、お雛様に飾ってあるのは、「桜」と「橘」の木花が一般的ですよね。


なぜ歌に出てくる「桃」ではなく、「桜」なのでしょうか?




お雛様に込められた思い

年に一度のおひな祭り。女の子の成長を願うお祭りですね。もともとは貴族の子供たちの間で、「ひいな遊び」という、紙で作ったひとがたの人形を使った、おままごとのような遊びが流行っていたことと、紙の人形を川に流し、無病息災を願ったり、厄払いをしていた「流し雛」という行事が合わさっとものともいわれています。


それが江戸時代には技術も発達し、紙ではなく、本物の人形を飾るようになったのです。


お内裏様とお雛様は、仲睦まじく、幸せそうな天皇夫婦を表してます。最初はこの二人だけでしたが、技術の発達とともに、だんだんと豪華になり、何段も飾るようになりました。ひな壇全体を見ると、タンスなどの嫁入り道具なども飾られています。実はこれ、婚礼の様子を表しているんですよ。


こうして、女の子が誕生すると、無病息災、健やかな成長を願い、お雛様を飾るようになったのです。


ひな壇にはなぜ、「桜」と「橘」の木花?

ひな壇に飾られる「桜」と「橘」は「左近の桜」・「右近の橘」と言われています。実際に飾るのは、お雛様に向かって「右に桜」を、「左に橘」となります。反対のようですが、これは京都御所の中にある紫宸殿(ししんでん/ししいでん)をモデルにしているからなんです。


紫宸殿とはもともと天皇の私的な正殿で、のちに即位などの大切な儀式も行われるようになりました。その紫宸殿の南庭に植えられていたのが桜と橘です。桜は東側、橘は西側に位置します。紫宸殿の南にありますので、天皇からみて東が左、西が右というわけですね。


当時、東側には右近衛府、西側には右近衛府という宮中の護衛をする官庁があったのです。その右近衛府、左近衛府の近くにあったので「左近の桜」・「右近の橘」となったのです。


桜は日本人ならなじみ深い花なので、皆さんご存知だと思いますが、橘ってどんな花?と思う方、多いのではないでしょうか?どんな花なのか、見てみましょう。


これはみなさんご存知ですよね。春に咲く、日本を代表する花ですね。春になるとお花見に出かけたりと、古くからなじみの深い花です。桜には穀物の神様が宿っているともいわれ、魔除け、厄除けの力があります。


ミカン科の植物で、6月ごろに白い花を咲かせます。木の高さは4メートルぐらいになり、実は直径3センチぐらいで酸味が強い小さなミカンといったところです。一年中茂る緑の葉が「永遠」をたとえています。平安時代末期から家紋のデザインにもよく使われており、魔除け、厄除け、不老長寿の力があるといわれています。



桜も橘も魔除けや厄払いの力があるんですね。どちらも、古くから日本には欠かせない花で、子供の成長を見守るのにふさわしい花ですね。


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うちは「紅白梅」なんだけど・・・?

うちのお雛様は「桜」「橘」ではなく、「紅白梅」を飾っている、という方もいると思います。実は紫宸殿の「左近の桜」、もともとは梅が植えてあったそうなんです。


それと、紅白というのは、とても縁起のいいもです。梅も春の花で、とても鮮やかさがあります。こういったことから、紅白梅を飾るんですね。向かって左が「白」、右が「紅」を飾ります。


他にひな祭りに飾る花は?

ひな壇には「桜・橘」「紅白梅」を飾りますが、ひな壇の前や周りに花を飾ったりしますね。歌にも出てくる「桃の花」は昔からよく飾られていますが、最近では「菜の花」を飾ることも増えてきたようです。桃の花にも魔除けの力があるといわれており、春を代表する、かわいらしい花ですよね。


菜の花は「春の花」、「黄色の鮮やかさ」といったことから、飾られるようになったようです。こちらも春らしく、かわいらしい花ですね。どちらも一緒に生けることで、ピンクと黄色があわさり、より一層春らしさを増すと思いますよ。


ひな祭りの花についてのまとめ

「桜」、「橘」、「梅」、「菜の花」と4つの花が出てきましたね。どの花も、古くから日本にある春ごろに咲く花です。


魔除けや厄払い、縁起のいいものなど、それぞれの意味を持っていることがわかりましたね。女の子の健やかな成長を願うには、どの花も欠かせない存在、といったところでしょうか。


この他にも、春に咲く花はいろいろあると思います。どんな花でも、親がわが子の成長を思って飾る花は素敵だと思いますよ。


今年のひな祭りには、お雛飾りの「桜・橘」、「紅白梅」だけでなく、生花を生けて飾るのもいいかもしれませんね。


参考

真多呂人形のコラム

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