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今回はひな祭りにちなんだおもちをご紹介します。あまりにも有名なのが「ひしもち」ですね。三色のひしもちはおひな様の飾りにも使われています。ところでこの三色にはどんな意味があるのでしょうか。ご存じですか。


他には「桜餅」「草餅」「三色団子」などみなさんよくご存じのおもちがあります。また、その地方ならではのひな祭りのおもちもたくさんあります。女の子の成長を願うひな祭りのおもちについて詳しく調べていきましょう。




ひな祭りに欠かせない「ひしもち」はなぜ三色?!

ひな祭りになくてはならないひしもちですが、桃色・白・緑の三色の由来はなんでしょうか。実はそれぞれの色には意味があるのです。


桃色

桃色にはそもそも「魔除け」の意味があるのです。この色付けのために昔はクチナシの実を使用していました。クチナシの実の乾燥させたものは山梔子(さんしし)と呼ばれ、解毒作用を持つ漢方として利用されています。このことから桃色は病気を防ぐ力があると考えられたようです。


緑色には「魔除け」と「健康」の意味があります。昔はこの緑の色付けにハハコグサを使用していましたが、現在ではもっぱらヨモギが使われています。

ヨモギはご存じの通り薬草の中では効果絶大な植物として知られています。漢方ではその効果効能から万能薬といわれているほどなんです。


白色には古来から「神聖で清らか」という意味が込められています。また、この白いおもちは元来菱の実を入れて作られていたとされ、厳しい環境でも元気に育つ菱という植物がもつ「長寿」や「子孫繁栄」の願いが込められていたようです。

ひしもちの三色にはそれぞれにこんな意味がこめられていたんですね。



また、菱は池や沼に生育して水面いっぱいに葉を広げて成長するその生命力の強さから、とても縁起のよい植物と言われ、またその実も古くから薬膳に使われていました。


そんな菱の実の形に似せたひしもちが女の子の健やかな成長にかかせないものとして伝えられてきたのです。


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桜餅

桜餅といえばひな祭りのシーズンになると登場するおもちです。


桜餅とひな祭りの関係は・・特にないんです。桜の葉を使った桜餅は一足早い春を感じさせてくれ、うっすらとした桃色がひな祭りにぴったりということでひろまったのではないでしょぅか。


草餅

草餅の緑はひしもちと同様にヨモギが使われています。


一説では、古代中国の「上巳節」(旧暦3月の最初の巳の日でしたが、行事の日にちが変動しないようにと3月3日に制定されました。元来この日は無病息災を願う厄払いの日だったのが時代を経てひな祭りになったそうです。)に食べられていたハハコグサを使用したおもちが日本に伝わり、ヨモギを使ったヨモギ餅(草餅)になりました。


このあたりから、ひな祭りに草餅を食べる風習が始まったように伺えます。


その後、この緑の草餅に白い菱の実の入ったおもちが重ねられ現在のひしもちの原型が出来上がり、明治時代になると桃色のおもちが加わって現在の三色になったともいわれています。草餅はひしもちのルーツとも考えられているようです。


三色団子

三色団子もひな祭りとはあまり関係がないようで、どちらかというとお花見の時期に食べられてきたようです。


何故ひな祭りには三色団子が店頭に並ぶのか。


三色団子は桜の咲くころの春の力強い芽吹きを表現しているといった説もありますが、菱餅ととても似た色と邪気を払う願いは同じということで、ひな祭りに好まれるのかもしれませんね。


まだまだあります。各地に伝わるひな祭りのおもち

ひな祭りのおもちは全国各地で作られ引き継がれています。ひな祭りのおもちの食べ比べなども楽しいですね。


京都の引千切(ひちぎり)

京都ではひな祭りの時期になるとこの「ひちぎり」が店頭に並ぶそうです。

この「ひちぎり」は平安時代に作られ始めました。ヨモギ餅を柄杓のような形にして、その上にあんこをのせるのですが、この柄杓の柄の部分が引きちぎられるように作られているんです。

これは当時、宮中で作られていたころ、おもちを丸めるのが面倒で引きちぎって作っていたことに由来するそうなんです。コロンとした形がとても可愛らしいのも特徴です。


岐阜県中津川のからすみ

米粉を練ったものを蒸して作ったからすみは江戸時代末期から明治時代にかけて作られるようになったおもちで、子宝や子孫繁栄の願いが込められています。中津川のからすみは富士山型になっていますが、日本一美しく、日本一幸せになってほしいという子を思う親の思いが形になっています。


名古屋のおこしもん

米粉を練ったものを木型に入れ、蒸したものに色粉で色をつけたおもちです。おめでたいおもちなので木型は鯛や宝船、松などのモチーフが多いようです。

味はないので、軽く焼いて砂糖や醤油などをつけていただきます。ひな祭りの時期になると必ず店頭にならぶ名古屋のひな祭りになくてはならないおもちです。


佐渡のおこし型

木型に色をつけた団子生地を詰めてあんこを入れ、椿の葉にのせて蒸したおもちです。ひな祭りのお供えに色鮮やかなおこし型は華やかさを与えてくれます。

また、やせうまというおもちも欠かせません。こちらは金太郎飴のように棒状に仕上げて蒸し、冷めてから切ると切っても切っても同じ模様が現れるというもの。


愛媛県松山市のしょうゆもち

江戸時代初期に松山藩主久松定勝が家臣の繁栄を願って桃の節句に作らせ振るまったのが始まりと言われています。上新粉と砂糖、醤油でつくられていますが、あんこ入りの醤油餅もあるようです。


ひな祭りのおもちの願いは一つ

ひしもちや草餅、そして各地でつくられるひな祭りのおもちにはいろんな種類がありますが願いは一つ。子どもの健康や子孫繁栄などではないでしょうか。


思いの込められた各地のひな祭りのおもちを食べつくしてみるのも楽しいですね。

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