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花粉症の症状は辛いですね。毎年、気を付けても結局発症して飲み薬や点鼻薬、目薬などで症状をおさえてなんとか花粉の季節が通り過ぎるのを待っているというのが現状ではないでしょうか。

ところが、花粉症(スギ花粉のみ)を根本的に解消する方法として「舌下免疫療法(舌下治療)」が開発され、2014年からは保険適用になりました。今回はこの「舌下免疫療法(舌下治療)」について詳しく調べていきましょう。


花粉症のメカニズム




まずはどんなメカニズムで花粉症がおきているのか考えていきましょう。人間の体には免疫機能というものがあります。これはウィルスなどの異物が体外から侵入してきたときに抗体(IgE抗体)を放出して体を守る機能です。この放出された抗体は肥満細胞にくっつきます。そして次に異物が侵入してくるとこの抗体のついた肥満細胞と異物が結合して化学物質を分泌して異物を体外に排出しようとします。

花粉症の人は花粉を異物と判断しているので、花粉が体内に入ってくると化学物質(ヒスタミンやロイコトリエン)を分泌します。この化学物質は炎症をおこすもととなり、さらに化学物質を分泌する肥満細胞は鼻やのどの粘膜に存在するので花粉症特有の症状がでるんですね。

舌下免疫療法(舌下治療)とは


舌下免疫療法とは、花粉を異物として反応している人に対して少しずつ花粉を体内に投与することで、身体を花粉に慣らしていきアレルギー反応をおこさないようにしていく方法です。

以前は皮下注射で異物となるアレルゲンを体内に注入していましたが、痛みをともなうことと、通院の頻度が多く負担であるということから、新しく開発された舌下免疫療法が注目されるようになってきました。

この舌下免疫療法ではアレルゲンを体内に取り込む方法として舌から吸収させる方法が採用されています。では、なぜ舌から吸収させるのかというと顎の左右にはリンパ節があります。このリンパ節には抗体を作る機能をもったリンパ球が充満しており、また花粉症の発症場所である鼻や目などに近い場所にあるためとても効率が良いとされているのです。

但し、この舌下免疫療法はスギ花粉をアレルゲンとする人だけに効果があるんです。花粉症の原因はスギ花粉以外にも多くあり、スギ花粉だけに慣れたとしてもほかの原因があれば完全に症状がなくなるわけではないのです。このため、病院で治療を始める前には必ず花粉症のための血液検査を受けスギ花粉に対するアレルギーがあることが確定することが必要になります。

また、少しずつ体内に取り込んで体を慣らしていくために2~5年程度という長期間にわたる治療が必要になります。途中で止めてしまうと効果は得られないので続ける覚悟は必要です。

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舌下免疫療法の効果と始める時期


スギ花粉限定の治療である舌下免疫療法ですが、どれくらいの効果が期待できるのでしょうか。

花粉症の症状が全くなくなる方は治療を受けた方の20%、薬が不要になった又は減量することができるようになった方を合わせると、改善したと判断されるケースは全体の80%近い数値になります。治療を始める時期はスギ花粉の飛散していない6月~11月頃の間です。花粉が飛散している期間に始めると効果があまり期待できなかったり、副作用の心配があるため注意が必要です。また、病院でも花粉の時期に合わせて治療の開始や終了を案内しているようなので確認できますよ。

舌下免疫療法はどんな人でも受けられるのか、副作用はあるのか


舌下免疫療法は誰でも受けられるものではありません。12歳未満の子どもや高齢者、妊娠中または授乳中の方は対象となりません。さらに重篤な気管支喘息の方・ステロイド剤を服用している方・心臓病の方などいろいろな制限がかかってくる可能性のある方は医師に相談することが大切です。

副作用としてアナフィラキシーという強いアレルギー反応が起こる可能性があると言われていますが、その危険性はかなり低いものであるようです。但し、確実にリスクがないわけではないので医師の管理の下で正しい治療を行うことを心がけましょう。その他の副作用としては全身に至る症状ではなく局所におこる副作用が多く、口内炎や口の中の腫れ・喉や耳のかゆみ・頭痛・鼻づまり・じんましんなどが報告されているようです。

正しく治療を進めていけば花粉症が軽くなる可能性があります


かなり長期間にわたる治療なので続けられる強い気持ちをもつ必要はありますが、副作用のリスクは比較的少なく、症状が軽減する可能性も低くはないとなると、辛い花粉症に悩む方にとっては気になる治療法ですね。正しく治療を進める必要があるので気になる方はぜひ医療機関に相談することをお勧めします。

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